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AKB48が突いた従来のCD販売システムの欠陥

レコード大賞を受賞するまでに成長したAKB48。成功の要因はいくつかあると思いますが、その中でも特に重要だったのは、CDの売れない時代に「売った」という実績を作ったことだと思います。

なぜ売れたのか。

従来のCD販売では、どんなにそのアーティストが好きでも、CDの購入枚数は1枚が原則でした。バリエーション違いを複数買ってもせいぜい3~4枚。

しかし、AKB48の場合は、握手券とか投票券とか付けて、好きなら好きな分だけCDを購入できる(購入したCDで愛情を示せる)ことができました。つまり、一人あたりのCD購入枚数の上限が事実上撤廃されました。これが何よりも新しかったことではないでしょうか。

従来であれば、CDを売りたければそれだけのファンを作る必要がありました。みんながテレビを見ていた時代はブームが発生しやすかったのですが、趣味や価値観が多様化した今、かつてのように誰もが同じものに熱狂するということが少なくなりました。しかしAKB48の方法では、ファンが少なくてもそのファンが熱狂的であればCDが売れます。「売れた」という実績ができればTVに出演できます。何度もTVに出ていれば、単純接触効果によりより多くのファンを獲得し、CDももっと売れるようになります。そういった好循環が今のブーム(ということになっている)状態を作り出しました。

単純接触効果(たんじゅんせっしょくこうか)は、繰り返し接すると好意度や印象が高まるという効果。(Wikipediaより)

有限だったCD購入枚数を無限にしてしまった怖ろしさがこのシステムにはあります。